UFOの歴史には、報道や公的調査をきっかけに広く知られるようになった事件・事例があります。ここでは代表的なものを、誇張を避けて事実ベースでまとめます。いずれも「未確認」であることが、ただちに「地球外由来」を意味するわけではない点に注意して読んでください。
ケネス・アーノルド事件(1947年)
1947年6月24日、アメリカのビジネスマン兼パイロットであるケネス・アーノルドが、ワシントン州レーニア山付近を飛行中に9つの謎の飛行物体を目撃したと報告した事件。物体の動きを「水面を跳ねる皿のような動き」と表現し、これがメディアによって「空飛ぶ円盤(Flying Saucer)」と報道され、以後のUFOブームの火付け役となった。目撃報告自体は信頼性が高いと評価されるが、物体の正体は今日に至るまで特定されていない。
空飛ぶ円盤(Flying Saucer)
ケネス・アーノルドが目撃した物体の動きを「水面を跳ねる皿のような動き」と表現したことから、メディアが用いた報道上の呼称。この表現を機にUFOへの社会的な関心が一気に高まった。アーノルドの描写はあくまで動きの形容であり、物体の形状を直接示したものではない。
ロズウェル事件(1947年)
1947年7月、ニューメキシコ州ロズウェル近郊の農場に謎の飛行物体が墜落したという報告が相次いだ事件。米陸軍航空隊は当初「空飛ぶ円盤の回収」と発表したが、翌日「気象観測気球の残骸だった」と訂正し、この矛盾が大きな疑惑を生んでUFO陰謀論の象徴的存在となった。1994年の空軍報告書では極秘気球プログラム「プロジェクト・モーグル」の気球と説明され、1997年の報告書では「宇宙人の遺体」とされたものは衝撃波テスト用の人体模型である可能性が高いと結論づけられた。
テヘラン事件(1976年)
1976年9月、イランの首都テヘラン上空で、イラン空軍のF-4戦闘機がUFOへの接近を試みた事件。機器類が誤作動を起こし、ミサイルを発射しようとした際にシステムが停止したと報告された。軍のパイロットと地上管制官による複数の証言があり、公式文書が後に公開され、電子機器への影響という特異な報告を含むことから、信頼性の高い事例として扱われることが多い。
レンドルシャムの森事件(1980年)
1980年12月、イギリスのサフォーク州にあるイギリス空軍ウッドブリッジ基地(アメリカ空軍が使用)に隣接するレンドルシャムの森で、複数の米空軍兵士が謎の光と飛行物体を目撃したと報告した事件。翌朝、現場には地面のくぼみが残され、放射線測定値が周囲より高かったとする記録も残る。目撃された光はオリフォード・ネス灯台の回転灯である可能性が指摘されており、既知現象で説明できる部分と説明が難しい部分が混在する事例として参照される。
ベルギーUFOウェーブ(1989〜1990年)
1989年11月から1990年4月にかけて、ベルギー国内で三角形の大型飛行物体の目撃報告が相次いだ出来事。目撃者は一般市民から警察官・軍人まで多岐にわたり、報告件数は数千件に上ったとされる。ベルギー空軍はF-16でスクランブル発進しレーダーで物体を捕捉したと報告したが、写真の一部は後に捏造と判明し、正体については実験的なステルス機・気象現象・集団的な錯覚など複数の仮説があり公式な結論は出ていない。
フェニックス・ライツ(1997年)
1997年3月13日夜、アメリカのアリゾナ州フェニックス上空で、V字型に並んだ大型の飛行物体と思われる光が数千人の市民に目撃された出来事。映像記録も複数残る。アメリカ空軍は訓練飛行でA-10攻撃機が投下した照明弾が原因と発表したが、投下時刻と目撃時刻のずれを指摘する証言もあり、すべての目撃を照明弾で説明できるかについては異論も残っている。
チリ海軍映像(2014年)
2014年11月、チリ海軍のヘリコプターが沿岸部を飛行中に、赤外線カメラで謎の飛行物体を約9分間にわたって撮影した事例。CEFAAが約2年間の調査を経て「説明不能」として公開した。後に物体の正体はジェット機で、エンジンから排出される凝縮飛行機雲が赤外線カメラに映り込んだものとする分析が複数提出され、専門機関が説明不能とした映像でも後に既知現象で説明できる場合があることを示す教訓を含む。
日航機UFO遭遇事件(1986年)
1986年11月17日、日本航空のジャンボ機(JAL1628便)がアラスカ上空を飛行中に、乗務員が謎の飛行物体を約50分間にわたって目撃したと報告した事件。機長の寺内謙寿氏は巨大な物体が自機に並走したと証言し、その後も一貫して証言を維持した。FAA(米国連邦航空局)が調査を実施して記録が残り、ベテランパイロットによる長時間の目撃報告として国際的に注目されたが、公式な結論は出ていない。
ニュルンベルクの空中現象(1561年)
1561年、ニュルンベルク(現ドイツ)で、空に多数の球体や円筒形の物体が現れ互いに戦うような動きをしたとされる出来事。当時の木版画とともに記録されている。1566年にはバーゼル(現スイス)でも同様の現象が記録された。現代の研究者により、大気光学現象や幻日・光柱などの気象現象の可能性が指摘されている。
国防総省UAP映像の公式公開(FLIR1・Gimbal・GoFast)
2017年にニューヨーク・タイムズがAATIPの存在を報道した流れの中で注目された3本のUAP映像。2020年4月、国防総省がFLIR1・Gimbal・GoFastの3本を正式に公開し、政府のUAP情報開示が制度化していく契機の一つとなった。
UAP暫定報告書(2021年)
2021年6月に米国家情報長官室が議会に提出し公表されたUAPに関する報告書。144件のUAP報告のうち143件が説明できないとされた。近年のアメリカ政府によるUAP公式認定と情報開示の進展を示す出来事の一つである。
デイビッド・グラッシュ証言(2023年)
2023年7月、元米軍情報将校のデイビッド・グラッシュ氏が議会公聴会で「政府は地球外由来の機体を回収し、秘密裏に保管している」と証言し、大きな注目を集めた出来事。ただしAAROの調査はこれらの主張を裏付ける証拠を確認していないと報告しており、議会での証言と政府機関の調査結果が一致していない点は現在も進行中の問題である。
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