この記事の要点
- ISSは高度約400kmを約90分で地球一周。太陽光を反射して、点滅しない明るい光として見えます。
- 見えるのは主に日の入り後と日の出前の約2時間。地上は夜でも上空にはまだ太陽光が当たっているためです。
- 点滅せず無音でまっすぐ進む光は人工衛星・ISS、点滅や赤青の色は航空機、というのがJAXAの示す見分けの目安です。
- 点滅しない光が必ずISSとは限りません。地球の周りには数百の人工衛星があります。
- 見た日時・方角・仰角を可視予報(きぼうを見よう等)と照合すれば、ISSだったか答え合わせができます。
夜空をすーっと横切る、点滅しない一筋の明るい光。音もなく、まっすぐ進んでいく。「あれは何だろう」と立ち止まった経験はありませんか。その正体は、国際宇宙ステーション(ISS)である可能性があります。
ISSは地上から約400kmの上空を、約90分で地球を一周しています。条件が良ければ肉眼でもはっきり見え、その動きには「点滅しない」「音がしない」「まっすぐ移動する」という特徴があります。これらはJAXA(宇宙航空研究開発機構)の公式情報で説明されている、見分けの手がかりです。
この記事では、ISSがなぜ夜空で光って見えるのか、航空機や他の人工衛星とどう見分けるのか、そして自分が見た光がISSだったかを後から確かめる方法を、一次資料にもとづいて整理します。
ISSとは何か:高度約400km・約90分で地球を一周
ISS(国際宇宙ステーション)は、地上から約400km上空に建設された有人実験施設です。サッカー場ほどの大きさがあり、約90分で地球を一周するスピードで飛んでいます。日本が開発した実験棟「きぼう」も、このISSの一部として組み込まれています。
高度400kmというのは、旅客機が飛ぶ高さ(約10km)のさらに上、はるか遠くです。それでも肉眼で見えるのは、ISSが太陽の光を反射して輝くからです。ISS自身が光を出しているわけではなく、月や金星と同じように、太陽光を反射して明るく見えます。
基本データ
なぜ夜空で光って見えるのか
ISSが見えるのは、主に日の入り後と日の出前の、それぞれ約2時間の時間帯です。これはISSが太陽光を反射して光るためで、JAXA関連の解説では、この時間帯は「地上は夜でも、400km上空はまだ昼の状態」になると説明されています。
つまり、地上の私たちが暗闇にいる一方で、高い軌道を回るISSにはまだ太陽の光が当たっている。その反射光が、地上から明るい点として見えるわけです。真夜中に空が完全に地球の影に入る時間帯には、太陽光が当たらないためISSは光って見えません。
見えるときの明るさは、条件が良ければ木星並み(およそ-2等級)とされ、一等星よりもはっきりした明るい点として、ゆっくり夜空を横切っていきます。
見分け方:点滅・音・色・動き
空を横切る光がISS(または人工衛星)なのか、航空機なのかは、いくつかの特徴で見分けられます。JAXAのFAQでは、点滅せずに明るい光がすーっと移動していく場合は人工衛星(ISSを含む)の可能性があり、光が点滅していたり赤や青色だったりする場合は飛行機の可能性がある、と説明されています。
| 特徴 | ISS・人工衛星 | 航空機 |
|---|---|---|
| 光り方 | 点滅せず一定 | 赤・青などが点滅 |
| 色 | 白っぽい一定の光 | 赤・青などの色が混じる |
| 音 | 聞こえない | 近ければエンジン音 |
| 動き | まっすぐ、すーっと移動 | 旋回・上下することもある |
ただし、地球の周りには数百の人工衛星があります。点滅せずまっすぐ動く光がすべてISSとは限らず、他の人工衛星である可能性も残ります。確実に「ISSだった」と言うには、次に紹介する予報での答え合わせが必要です。
その場でできる一次チェック
見たあとの答え合わせ:可視予報で確かめる
その場の特徴だけでは「ISSらしい」までしか言えません。確実に答え合わせをするには、可視予報を使います。ISSがいつ・どの方角に見えるかは事前に計算でき、JAXAも「#きぼうを見よう」(KIBO宇宙放送局)などで観測予報を確認できると案内しています。
JAXAのFAQでは、自分が見た飛行物体がISSだったか確かめる方法として、過去の可視情報を調べ、観測した日時・方位角・仰角が一致するものがあれば、それはISSだったと思われる、と説明されています。一致するものがなければ、ISSではなかったことになります。
- 1見た日時・見えた方角・空の高さ(仰角)・動いた向きをメモする
- 2「きぼうを見よう」などで、その地点・日時の可視予報を確認する
- 3日時・方角・仰角が一致すれば、見た光はISSだった可能性が高い
- 4一致しなければ、他の人工衛星や別の現象を検討する
次に晴れた夜に観察したいときも、同じ予報を使えば「いつ・どの方角に出るか」を事前に知ったうえで待ち構えられます。予報の時刻に、点滅しない明るい光がすーっと現れれば、それがISSである可能性が高いといえます。
このページのまとめ
見分けの力をためす:3級(無料)
「点滅するか」「音がするか」「まっすぐか」を順に確かめ、最後に予報で答え合わせをする。この手順は、空で見た光の正体に近づくための基本です。未確認のものをすぐ結論づけず、ひとつずつ確認していく姿勢そのものが、見分けの土台になります。
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よくある質問
ISSは肉眼で見えますか。+
はい、見えます。JAXAによると、条件が良いときには木星並み(およそ-2等級)の明るさで、点滅しない一筋の光がゆっくり空を横切るように見えます。主に日の入り後と日の出前の、それぞれ約2時間の時間帯が観察に向いています。
ISSと航空機はどう見分ければよいですか。+
JAXAのFAQでは、点滅せず明るい光がすーっと移動する場合は人工衛星(ISSを含む)の可能性があり、光が点滅していたり赤や青色だったりする場合は飛行機の可能性がある、と説明されています。音の有無や、まっすぐ進むかどうかも手がかりになります。
自分が見た光がISSだったか確かめられますか。+
確かめられます。見た日時・見えた方角・空の高さ(仰角)・動いた向きをメモし、「きぼうを見よう」などの可視予報と照らし合わせます。JAXAのFAQでは、日時・方位角・仰角が一致する可視情報があれば、見た飛行物体はISSだったと思われる、と説明されています。
点滅しない光は必ずISSですか。+
いいえ。地球の周りには数百の人工衛星があり、点滅せずまっすぐ動く光がすべてISSとは限りません。ISSだと確定するには、可視予報と日時・方角・仰角を照合する必要があります。
ISSはどのくらいの速さで動いて見えますか。+
ISSは高度約400kmを約90分で地球を一周しています。空では、一等星より明るい点が点滅せずにすーっと数分かけて横切っていくように見えます。途中で建物や雲に隠れて見えなくなることもあります。
