この記事の要点
- 航空法では無人航空機(ドローン)の飛行は原則として日出から日没までの間に限られ、夜間に飛ばすには国土交通大臣の承認が必要です。
- 夜間飛行が承認された機体には、機体の方向が正確に視認できる灯火を装備することが審査基準として求められます(飛行範囲が照明等で十分に照らされている場合を除く)。
- 飛行機には航空法で位置や色が定められた航行灯(左翼=赤・右翼=緑・尾部=白)と、点滅する衝突防止灯があり、これが見分けの大きな手がかりになります。
- ホバリング・急停止・低空での不規則な動きは小型無人機に多い特徴で、一定速度で直進する飛行機とは動き方が異なります。
- 色・点滅・動きを順に確かめても説明がつかない場合に限り、その光は「未確認」として扱います。最初から地球外を意味するわけではありません。
夜空に浮かぶ光を見て、ドローンなのか飛行機なのか、それとも正体不明のものなのか迷うことがあります。実は、夜間に飛ぶドローンと飛行機の灯火には、それぞれ法令上のルールがあります。ルールを知っておくと、見えている光をかなりの精度で見分けられます。
この記事では、国土交通省が定めるドローンの夜間飛行ルールと、航空機の灯火に関する規定を手がかりに、夜の光を落ち着いて確かめる方法を整理します。
ドローンは原則として夜は飛べない
航空法では、無人航空機(ドローン)の飛行は原則として日出から日没までの間に限られています。夜間に飛行させるには、あらかじめ国土交通大臣の承認を受ける必要があります。つまり、夜に飛んでいるドローンは、承認を受けて飛んでいるか、ルールに反して飛んでいるかのどちらかです。
承認を得ずに夜間飛行をさせた場合、航空法に基づき罰則の対象となり、50万円以下の罰金が定められています。夜のドローンは「誰でも自由に飛ばせるもの」ではない、という前提を押さえておきましょう。
「夜間」とは
夜のドローンに求められる灯火
夜間飛行が承認された機体には、安全のための追加の基準があります。その一つが灯火です。国土交通省の審査基準では、機体の方向(向き)が正確に視認できる灯火を機体に装備することが求められます。ただし、飛行範囲が照明等で十分に照らされている場合は、この限りではないとされています。
これは、操縦者が暗闇でも機体の前後・向きを把握できるようにするためのものです。そのため夜のドローンは、向きが分かるように灯火を点けていることが多く、地上付近でゆっくり動いたり、その場にとどまったりする様子が見られることがあります。
- 機体の向きが分かる灯火を装備している(審査基準上の要件)
- 比較的低い高度で、ゆっくりとした動きをすることが多い
- その場でとどまる(ホバリング)、急に止まる、向きを変えるなど、飛行機にはない動きをすることがある
- プロペラの音が聞こえる距離なら、断続的なモーター音がすることがある
飛行機の灯火は色と位置が決まっている
一方、有人の航空機には、航空法で位置や色が定められた灯火があります。代表的なのが航行灯(航法灯)です。機体の左の翼端に赤色、右の翼端に緑色、尾部に白色の灯火を備えることが定められています。
さらに、衝突を防ぐための衝突防止灯があります。これは胴体の上下などに付く赤色の閃光灯や、翼端などで強く光る白色のストロボ灯で、点滅して機体の存在を周囲に知らせます。点滅する強い光が一定のリズムで見えるなら、航空機の可能性が高いと考えられます。
| 観点 | 飛行機(有人機) | 夜間のドローン |
|---|---|---|
| 灯火の色 | 左=赤・右=緑・尾=白が基本 | 向きが分かる灯火(機種により異なる) |
| 点滅 | 赤や白の灯火が一定のリズムで点滅 | 点滅の有無・パターンは機体により様々 |
| 動き | ほぼ一定の速度で直進する | ホバリング・急停止・向き替えなど不規則なことがある |
| 高度 | 高い高度を通過することが多い | 比較的低い高度にとどまることが多い |
| 音 | 遠いと聞こえないことが多い | 近ければモーター音が断続的に聞こえることがある |
色の位置で進む向きが分かる
動き方で見分ける
灯火の色や点滅で判断がつかないときは、動き方が手がかりになります。飛行機は基本的に一定の速度で直進し、空を横切るように移動します。空港が近ければ旋回することはありますが、その場でぴたりと止まることはありません。
これに対して、ホバリング(空中での停止)、急停止、低空での不規則な上下や向き替えは、小型無人機に多く見られる特徴です。光が一点にとどまったり、カクカクと動きを変えたりするなら、ドローンの可能性を先に検討するのが順当です。
- 1まず色を見る。左赤・右緑・尾白がそろえば飛行機の可能性が高い
- 2次に点滅を見る。赤や白の規則的な閃光があるかを確かめる
- 3動きを見る。直進なら飛行機、停止・急変ならドローンを疑う
- 4音を聞く。断続的なモーター音があれば近距離のドローンの可能性
- 5高度や周囲の状況(空港・撮影イベントの有無など)も合わせて考える
それでも分からないときは「未確認」
色・点滅・動き・音を順に確かめても説明がつかない光は、その時点で「未確認」と整理します。ここで大切なのは、未確認は「正体が確認できていない」状態であって、地球外のものを意味しないということです。星や惑星、人工衛星、気球、遠くの航空機など、別の説明が当てはまる場合も少なくありません。
分からないことを無理に断定せず、観察した事実(色・動き・時刻・方角)を記録しておくと、後から照らし合わせて正体が判明することがあります。順番に確かめる姿勢そのものが、見分けの精度を高めます。
記録しておきたいこと
よくある質問
夜に飛んでいるドローンは違法ですか。+
航空法ではドローンの飛行は原則として日出から日没までに限られ、夜間に飛ばすには国土交通大臣の承認が必要です。承認を受けていれば適法ですが、承認なしの夜間飛行は罰則の対象となり、50万円以下の罰金が定められています。空に光が見えただけでは適法か違法かは判断できません。
飛行機の翼の赤と緑のライトは何ですか。+
航行灯(航法灯)と呼ばれる灯火で、左の翼端が赤、右の翼端が緑、尾部が白と定められています。機体の向きを周囲に示すためのもので、見える色の配置から飛行機が近づいているか遠ざかっているかの目安にもなります。
点滅する強い光は何ですか。+
衝突防止灯の可能性が高いです。胴体の上下に付く赤色の閃光灯や、翼端などの白色ストロボ灯で、点滅して機体の存在を知らせます。一定のリズムで強く点滅する光は、航空機を示している場合が多いです。
その場で止まって見える光はUFOですか。+
空中で停止(ホバリング)したり急に止まったりする動きは、小型無人機(ドローン)に多い特徴です。まずドローンや、遠くにあって動きが分かりにくい星・惑星などの可能性を検討します。確かめても説明がつかない場合に限り「未確認」として扱います。
