この記事の要点
- 2026年3月3日の夜、日本全国で皆既月食が見られます(国立天文台発表)。
- 部分食は18時49分ごろ始まり、20時4分から21時3分ごろまで月全体が地球の影に入ります。
- 皆既食中に月が赤銅色に見えるのは、地球の大気を通って屈折した赤い光が月面に届くためです。
- 「赤い月は不吉」という言い伝えは、説明のつく天文現象に後から付けられた俗説です。
- 観測に特別な道具は不要で、肉眼で安全に楽しめます。日食と違い保護メガネは要りません。
2026年3月3日の夜、日本全国で皆既月食が起こります。月が地球の影にすっぽり入り、赤銅色(しゃくどういろ)と呼ばれる赤黒い色に染まる現象です。この記事では、いつ・何時に見えるのか、なぜ赤くなるのか、そして「赤い月は不吉」という言い伝えをどう受け止めればよいのかを、国立天文台の発表をもとに事実だけで整理します。
2026年の皆既月食はいつ?日本全国で見られます
国立天文台によると、皆既月食は2026年3月3日の夕方から宵にかけて起こり、日本全国で観測できます。月が東〜南東の空に昇ったあと、少しずつ欠けていき、やがて月全体が地球の本影(ほんえい)に入ります。
各段階のおおよその時刻は次のとおりです。時刻は地域による差がほとんどなく、全国でほぼ同じタイミングで進みます。最新の確定値は国立天文台の発表をご確認ください。
| 段階 | 時刻(日本時間) |
|---|---|
| 部分食の始まり | 18時49分ごろ |
| 皆既食の始まり | 20時4分ごろ |
| 食の最大 | 20時33分ごろ |
| 皆既食の終わり | 21時3分ごろ |
| 部分食の終わり | 22時18分ごろ |
皆既食(月全体が影に入っている時間帯)は20時4分から21時3分ごろまでの約1時間続きます。この間が、月が最も赤く見える時間です。なお国立天文台によれば、日本全国で見られた前回の皆既月食は2025年9月8日、次回は2029年1月1日とされています。
月食は安全に見られます
なぜ皆既月食の月は赤く見えるのか
皆既食では月が地球の影に完全に入りますが、真っ暗にはならず赤銅色に光ります。これは、地球の大気を通り抜けた太陽の光が、月面にわずかに届くためです。
太陽光のうち波長の短い青い光は、地球の大気で散らばってしまいます(レイリー散乱)。一方、波長の長い赤い光は散らばりにくく、大気の中を通り抜けて屈折し、地球の影の内側へまわり込んで月面を照らします。夕焼けが赤く見えるのと同じ理由です。月が赤く見えるのは、地球の大気を通った赤い光だけが月に届いている証拠といえます。
- 1太陽の光が地球の大気に差し込む。
- 2青い光は大気で散乱して失われる。
- 3赤い光は屈折して地球の影の内側へ回り込む。
- 4その赤い光が月面を照らし、月が赤銅色に見える。
赤みの濃さや色合いは、そのときの地球大気のちりや雲の量によって毎回少しずつ変わります。火山の噴火などで大気中の微粒子が増えると、より暗く濃い赤になることもあるとされています。
「赤い月は不吉」は本当か
赤い月は古くから「血の月(ブラッドムーン)」とも呼ばれ、災いや異変の前触れだと語られてきました。しかし、皆既月食は地球・月・太陽の位置関係から起こる、あらかじめ計算できる天文現象です。いつ・どこで・どのくらいの時間見えるかは、何年も前から正確に予測できます。
つまり「赤い月」は前兆でも異常でもなく、規則的にくり返される自然現象です。不吉とされる言い伝えは、現象の仕組みが分かっていなかった時代に、珍しい見え方へ後から意味づけされたものと考えられます。現象そのものと、それに付けられた解釈は分けて考えることが大切です。
事実と俗説を切り分ける
未確認は「異常」や「前兆」を意味しない
空で見慣れない赤い光や明るい点を見ると、不安に感じたり特別な意味を読み取りたくなったりするものです。けれども皆既月食のように、多くは仕組みが分かっている天文現象や人工の光で説明がつきます。
「未確認」とは、正体がまだ確認できていない状態を指すだけで、超常的なものや異変の前触れを意味するわけではありません。まず説明できる可能性を一つずつ確かめ、それでも残ったものを冷静に「未確認」と扱う。この順序が、空の現象を落ち着いて読み解く基本になります。
よくある質問
2026年の皆既月食はいつ見られますか?+
2026年3月3日の夜です。国立天文台によると日本全国で観測でき、部分食は18時49分ごろ始まり、20時4分から21時3分ごろまで月全体が地球の影に入ります。
どこで見られますか。特別な道具は必要ですか?+
日本全国で見られます。東〜南東の空が開けた場所であれば肉眼で観測でき、専用の機材や保護メガネは不要です。双眼鏡があると色の変化がより楽しめます。
なぜ月が赤く見えるのですか?+
地球の大気で青い光が散乱し、屈折した赤い光だけが地球の影の内側へ回り込んで月面を照らすためです。夕焼けが赤く見えるのと同じ仕組みです。
赤い月は不吉なのですか?+
皆既月食は計算で予測できる規則的な天文現象で、災いの前兆である根拠は確認されていません。「赤い月=不吉」は後世の言い伝えで、現象そのものとは切り離して考えられます。
あわせて読む
NASAのUAP独立調査報告(2023)
2023年9月公表のNASA独立調査報告の要点。地球外起源の証拠はなく、校正・メタデータ・複数測定を備えたデータが不足という指摘の意味を整理します。
読むUFOの見分け方金星をUFOと見間違える理由
夕方や明け方の非常に明るい星の多くは金星や木星です。大気のゆらぎや自動運動効果で動いて見える仕組みと、惑星かどうかの見分け方を解説します。
読むUFOの見分け方火球とUFOの見分け方
空を横切る明るい火の玉の多くは火球(明るい流星)です。分裂・発光痕・遅れて届く音など、UFOと切り分ける観察ポイントを整理します。
読むUFOの見分け方夜空の光を確かめる5つの観察ポイント
夜空の光の正体を確かめる5つの観察ポイント。国立天文台の項目をもとに、惑星・衛星・飛行機雲などの見分け方を手順と表で解説します。
読む